議第14号議案
難病対策の一層の充実を求める意見書(否決)
国の難病対策として実施されている特定疾患治療研究事業は、患者の医療費の負担軽減を図るとともに、病態の把握や治療法の研究に重要な役割を果たしてきており、難病患者や家族の大きな支えとなっている。
しかし、医療費助成の対象が56疾患に限られており対象外の難病との間に不公平感があることや、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象者が成人後に助成を受けられなくなることなどから、制度の全般的な見直しが求められている。
このことから、国においても社会保障制度の見直しの一環として新制度の検討が行われているが、平成25年10月29日に厚生労働省が難病対策委員会に示した改革に向けた取り組みの素案では、医療費助成の対象疾患を約300疾患に拡大するとともに、医療費の自己負担割合を現行の3割から2割に軽減するとした一方で、自己負担額の上限の引き上げに加え、現行制度では全額公費負担となっている重症患者に対しても同等の自己負担を求める方針が打ち出された。これにより、特に、全額無料であった重症患者に対しては、最大で年額約53万円もの新たな負担を強いることとなり、急激かつ大幅な負担増に、多くの患者や家族から批判の声が上がっている。
難病の治療には、長期にわたる高額の医療費負担が必要であることから、制度の見直しに当たっては、より公平で安定的な医療費助成の仕組みを構築していく必要があるが、社会的に弱い立場にいる難病患者にしわ寄せが行くことは看過できない。
よって政府においては、患者等の関係者の声を聞き、必要な支援が安易に切り捨てられることがないよう配慮するとともに、難病患者への支援を拡充・強化し、安心して医療を受けることができる環境整備に努め、難病対策の一層の充実を図るよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月17日
埼玉県草加市議会
内閣総理大臣 様
厚生労働大臣 様