請願第4号 (平成18年) 聴覚・視覚障害者のサービス利用者負担に関する請願について
平成18年5月25日
平成18年6月1日
瀬戸健一郎
浅井康雄
大野ミヨ子
新井貞夫
趣旨
草加市では、福祉の先進市として、昭和53年から聴覚障害者や言語障害者等のコミュニケーション障害を持つ者のコミュニケーション手段の確保のため、手話通訳者の養成及び派遣事業を利用者負担無しで実施されてきました。
今般、障害者自立支援法が制定され、その大きな特徴は、サービス利用にかかる利用者負担が利用者の所得による応能負担から1割定率の応益負担になったことです。
手話通訳者の派遣事業は、障害者自立支援法の中では、地域生活支援事業に位置付けられ、利用者負担などは実施主体である自治体の裁量に委ねられており、他の障害福祉サービス同様に1割定率負担が導入されるのではないかと危惧しております。
コミュニケーションは基本的人権に属するもので、日常生活のあらゆる場面において必要不可欠なものです。私たちは、私たちだけのコミュニティで生活しているのではなく、地域の中で地域の人々とともに生活をしています。手話通訳は、私たちのみならず、私たちと接する全ての人が必要とするものであることは、ご理解いただけるものと思います。
以上のことから、格差や差別なく安心した地域生活が営めますよう今後も、手話通訳者の養成事業を継続していただくとともに、手話通訳者の派遣にかかる利用者負担については、自己負担や利用制限等を設けない現行制度を維持し無料として下さい。
また同様に、視覚障害者の移動手段の確保のため、ガイドヘルパーの派遣については、市の事業として平成5年度から平成14年度までは、ガイドヘルパー派遣事業として実質利用者負担無しで実施されてきました。
県内のいくつかの自治体では、利用者負担無しのままガイドヘルパーの派遣事業を継続するなかで、草加市は、平成15年3月末で、ガイドヘルパー派遣運営要綱を廃止し、同年4月から全面的に障害者支援費制度の移動介護に移行し、他の障害福祉サービスと同じ、利用者の所得による応能負担を導入しました。
このとき私たちは、障害福祉サービスの需要が増えつづける中、事業の安定的継続を図るためには、一定の利用者負担は必要との市の説明と草加市独自の軽減策が講じられたことから制度の移行について理解を示し、ガイドヘルパー制度の存続は要望しませんでした。
しかしながら、障害者自立支援法では、平成18年10月から地域生活支援事業に移行後は、利用者負担等は実施主体の自治体の裁量としながら、4月から9月までの間は、介護給付としてみなされ、定率1割負担の応益負担が課されることになりました。
私たち視覚障害者は、その障害により単独による外出は困難であり、ガイドヘルパーは、目となり正確な情報を与えてくれる日常生活に必要不可欠な存在です。
私たち視覚障害者にとって1割定率の応益負担は、負担が大きくこのまま続けば、サービスの利用を減らすこととなり、社会生活を営むことができなくなります。格差や差別なく安心した地域生活が営めますよう、なるべく早い時期に、冠婚葬祭、通院、市役所等官公署への移動や障害者団体等の会議への出席等日常生活上、必要最低限の派遣については無料とし、その他の社会参加等のための派遣については、平成17年度までの「草加市支援費等の支給に関する規則」の居宅生活支援の利用者負担額表に基づく応能負担に戻し、本年10月からの地域生活支援事業へ移行後も継続して頂きますようお願い申し上げます。
以上、手話通訳者の養成事業の継続及び手話通訳者派遣事業については無料とし、視覚障害者ガイドヘルパー派遣にかかる利用者負担の一部無料および軽減について、地方自治法第124条の規定により請願書を提出します。