議第10号 「宙に浮いた年金」問題への速やかな対応を求める意見書
議第10号議案
「宙に浮いた年金」問題への速やかな対応を求める意見書
公的年金は、国民の高齢期等における生活を支える重要な制度である。ところが、年金保険料の納付記録の管理があまりにもずさんであったという実態が明らかになった。そして、これが原因で保険料を納めたにもかかわらず年金を受け取れない、あるいは本来の受給額より少ない額しか受け取っていないという被害者が大勢いることも明らかになった。社会保険庁は、これまでも数々の不祥事によって国民の信頼を裏切ってきたが、今回の問題によって国民の年金不信は一層高まっている。
政府・与党は、「年金時効特例法案」とコンピューター内の5,000万件の納付記録、いわゆる「宙に浮いた年金記録」の突合という対策を打ち出した。しかし、時効の撤廃によって補償されるのは、「納付記録の訂正」が行われた場合に限られており、保険料を納めたのに記録がないと言われているような、そもそも「記録の訂正」ができない人はこの対象とはならない。また、いわゆる「宙に浮いた年金記録」の突合は、コンピューター内のデータ破損部分を修復し、コンピューターへの入力漏れを是正しなければ被害者の補償にはつながらない。
よって政府においては、国民がこれまで納付した保険料に見合った年金をしっかりと受給できるよう、次の事項を含む政策の実施を強く求めるものである。
1 未納扱いになっている人の納付記録を復元するため、全国の社会保険事務所や市町村に散在している元台帳とコンピューターのデータとを照合して、コンピューターにすべての納付記録が正確に入力・管理されるように調査・訂正すること
2 すべての加入者に納付履歴を送付し緊急チェックをしてもらうとともに、本人と結びついていない納付履歴についても情報を提供し、注意を呼びかけることにより、速やかに納付記録を是正・統合すること
3 完全に納付記録が消失してしまった人については、第三者委員会に審査をゆだね、加入者側の証言を最大限に尊重して補償すること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年6月19日
埼玉県草加市議会
内閣総理大臣 様
厚生労働大臣 様