議第13号 脳脊髄液減少症の研究・治療等の推進を求める意見書
議第13号議案
脳脊髄液減少症の研究・治療等の推進を求める意見書
脳脊髄液減少症は、交通事故、スポーツ障害、落下事故、暴力などによる頭部や全身への強い衝撃によって脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、目まい、吐き気、視力低下、耳鳴り、思考力低下、うつ症状、睡眠障害、極端な全身倦怠感・疲労感等のさまざまな症状が複合的に発現する病気であり、難治性のいわゆる「むち打ち症」の原因として注目されている。
しかし、この病気はこれまで原因が特定されていない場合が多く、「怠け病」あるいは「精神的なもの」と判断されたため、患者の肉体的・精神的苦痛はもとより、患者の家族等の疲労もはかり知れなかった。
近年、この病気に対する認識が徐々に広がり、本症の研究に取り組んでいる医師らより新しい診断法、治療法(ブラッドパッチ療法など)の有用性が報告されている。そのような中、医学界においても脳脊髄液減少症に関して本格的な検討を行う機運が生まれつつある。長年苦しんできた患者にとってこのことは大きな光明となっている。
しかしながら、この病気の一般の認知度はまだまだ低く、患者数など実態も明らかになっていない。また、全国的にもこの診断・治療を行う医療機関が少ないため、患者・家族などは大変な苦労を強いられている。
よって政府においては、次の措置を講ずるよう強く求めるものである。
1 交通事故等の外傷による脳脊髄液漏れ患者(脳脊髄液減少症患者)の実態調査を実施するとともに、患者・家族に対する相談及び支援の体制を確立すること
2 脳脊髄液減少について、さらに研究を推進するとともに、診断等並びにブラッドパッチ療法を含む治療法を早期に確立すること
3 脳脊髄液減少症の治療法の確立後、ブラッドパッチ療法等の新しい治療法に対して早期に保険を適用すること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年6月13日
埼玉県草加市議会
内閣総理大臣 様
厚生労働大臣 様