議第8号 公共サービスの安易な民間開放は行わず充実を求める意見書
議第8号議案
公共サービスの安易な民間開放は行わず充実を求める意見書(否決)
政府は、「小さな政府」を口実に、公共サービスの民間開放と公務員の純減を進めている。しかし、建築確認の民間開放が耐震強度偽装事件を招いたと指摘されるように、国民の安心や暮らしに直結する業務の民間開放には慎重な対応が求められる。政府が導入を急いでいる市場化テスト(官民競争入札)は、民間の要望によって国と地方のあらゆる業務を対象とする制度であり、住民の暮らしや安全に対する国や地方自治体の責任が果たせず、行政サービスが企業のもうけの場にされる懸念がある。
また、公務員の純減は、国や地方自治体においても住民に直接サービスを提供する分野や出先機関がターゲットとされており、公共サービスの質と量における地域間格差が広がりかねない。
不安定雇用や低所得者層の増大、地域間格差があらゆる面で拡大するなど、格差社会が急テンポで広がっているもとでは、雇用や安全、社会保障など、国の役割を発揮することが重要であり、地方切り捨て、民間開放による「小さな政府」では国民の安心・安全が損なわれることになる。行政の効率化によって、住民の利便性や権利保障の後退を招くことがあってはならない。
よって政府においては、真の地方分権を確立する自治体財政の確保を含め、国民生活のナショナルミニマムに対する国の責任を果たすため、次の事項の実現を強く求めるものである。
1 暮らしや安全にかかわる国や地方自治体の責任を全うするため、市場化テストを初めとする公共サービスの民間開放は安易に行わないこと
2 画一的な公務員の純減はやめ、公共サービスの改善や水準維持のため、必要な要員を確保すること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年3月24日
埼玉県草加市議会
内閣総理大臣 様
総務大臣 様
財務大臣 様
行政改革担当大臣 様