議第6号 武道必修化における安全性の確保を求める意見書
提出者
新井 貞夫
賛成者
小澤 敏明
佐藤 勇
大久保 和敏
平野 厚子
議第6号議案
武道必修化における安全性の確保を求める意見書
本年4月から中学校で武道が必修化されることに伴い、多くの学校が柔道を選択すると見られている。
しかしながら、文部科学省の外郭団体である日本スポーツ振興センターが毎年発行する「学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点」の過去28年分を名古屋大学の内田良准教授が分析したところ、柔道では114人が死亡し、275人が重い障がいを負う事故が続いてきたことがわかった。実際の授業において、ふざけて技をかけ事故を起こした場合、子どもが被害者だけでなく加害者になる可能性もある。また、文部科学省は学習指導要領の中で、頭部損傷に至る危険性が最も高い大外刈りなどの投げ技を1〜2年生の学習内容の例に挙げている。
これらのことから十分な安全確保が求められているが、文部科学省が安全対策を確立しているとは言えない状況であり、地域によっては乱取りを禁止したり、ヘッドギアなどを配備したりといった独自の対策をとる動きも出てきている。
学習指導要領の体育の目標には「運動を適切に行うことによって、体力を高め、心身の調和的発達を図る」とあるが、今の状況はその真逆である。
よって政府においては、武道必修化に当たって、次の事項のとおり安全性の確保とそのための財源措置を行うよう強く求めるものである。
1 子どもの安全を担保できるレベルの指導者の確保等、国民が納得できる安全確保の仕組みを提示すること
2 中立的な第三者による事故調査委員会を設置すること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年3月19日
埼玉県草加市議会
内閣総理大臣 様
文部科学大臣 様